YogaBodyコラム COLUMN

ブログ,ヨガと体のQ&A,ヨガ解剖学 2016.09.05

流派によってポーズの取り方が違うのはなぜですか?

ヨガには様々な種類があることは多くの方が知っていることです。

 

近年世界で多く普及しているヨーガは何か?と聞かれればハタヨガといえるのかもしれません。ヨガの中でのハ(太陽)タ(月)ヨガという流派ではアーサナと呼ばれる坐法と呼吸の実践を通して陰と陽、月と太陽という対照的なものを調和させるといわれています。

 

体を通しておこなうというのが特徴のひとつ。肉体を持つ私たちにとって親しみやすいこともあり今ある多くのヨーガの元祖、などと呼ばれています。アイアンガーヨガやアシュタンガヨガ、シヴァナンダヨガ、クリパルヨガなど一般的によく聞くヨガはハタヨガの中に含まれます。

 

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ハタヨガではアーサナや呼吸法を実践していきますが、ポーズにおいて流派によって少し違いが見られます。同じポーズであってもその微妙な違いによってどんなことが起こっているのか、体という点からに考えてみたいと思います。

 

ポーズの取り方の違い、という話でよく対照的に見られるのがアイアンガーヨガとアシュタンガヨガ。体から見たポーズの取り方という点ではアイアンガーヨガはひとつひとつのポーズでプロップスを用いたり時間をゆっくりとかけることで、体の骨格的な構造の安定を大事に行うことができます。アシュタンガヨガではひとつひとつのポーズの時間は短いですが、その時の体を支え動かす筋肉や呼吸の力による内的な安定を高めていくことができます。

 

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どちらも体を心地よく安定させる、ということには代わりはなくそのアプローチの違いからポーズの取り方にも違いが生まれてきているのではないでしょうか。

 

様々ある流派の中でも、体の構造的な安定を大事にしていくものは、ひとつのポーズにとどまる時間が長かったり、体の細かな動き、ポーズの取り方まで丁寧に向き合っていく傾向があります。肉体的な安定から精神的な安定へと向かうときは、ポーズの時間ももっと長くなるでしょう。

 

体の構造的な安定は大事にしながらも、呼吸から生まれる力で内的な安定を求めていくためには呼吸のリズムも重要です。その呼吸のリズムと体の動きの同調を大事にしていくならば、ひとつのポーズに長い時間をかけるというよりは流れるようなリズムで続けられるでしょう。その流れの中でポーズを行う感覚は、例え同じポーズであってもゆっくりと行う感覚とはまた違ったものに感じるのではないでしょうか。

 

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しかし全てのヨガのポーズが構造的な要素だけのことではありません。インドのアーユルヴェーダなどに見られる身体観には、私たちの体に流れるプラーナというものがあります。プラーナは生命エネルギーそのもの。そのプラーナの流れが整えられることによる恩恵は計り知れません。プラーナの流れを促すことを大事にしているヨガでは、構造的な安定、とはまた違ったポーズの取り方をしているように思います。

 

では、構造的な無理な動きをさせるのか、といえばそうではありません。プラーナの流れを見ると肉体の構造と全く反するものではなく、目に見えないエネルギーを整えていくことで結果的に目に見える体の構造的な安定にもつながる、というイメージでしょうか。

 

ヨガスートラには、アーサナは快適で、安定していなければならない、と書かれています。道筋、方法は少し違いがあるかもしれませんが心地よく、楽に、そして安定してポーズを行う、ということはどのような流派でも同じだと思います。

 

その違いに良い悪いと判断できるものはありません。もし選ぶのであるならば主観的に、自分にとって気持ちよく行えるものを選ぶ、というのも良いのではないでしょうか。

 

そしてその方法を教えてくれる指導者、インストラクターと共に練習することも大事です。客観的に見てもらった時、もっと快適に、安定して行える方法があるかもしれません。

 

チャマ先生

 

今現在の皆さんの体にとってもっと楽な場所があるかもしれません。どの流派であってもその場所を手助けをしてくれると思います。自分が気持ち良い、楽しいと思えるヨガを続けていってみてくださいね。

 

それでは、安全で快適なヨガを!

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