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ブログ,ヨガと体のQ&A,ヨガ解剖学,質問 2017.05.29

リストラティブヨガってどういう効果があるんですか?

ここ数年の間に、日本のヨガスタジオのクラスにもリストラティブヨガが増え、クラスの中でもリストラティブヨガを取り入れているインストラクターの方も増えてきているように思います。皆さんはリストラティブヨガを体験したことがあるでしょうか?他のヨガとは違い、一言でいえば、ただ寝ているともいえるクラス。私たちの体にどのような効果があるのでしょうか?

 

 

リストラティブヨガはジュディス・ラサター氏によって考案されたヨガ。リストラティブヨガではブロックやボルスター、ベルトなどのプロップスを用いて、安楽で心地よい身体のポジションを作り深いリラクゼーションの状態に入ります。これによって心身ともに健康で幸福な状態へと導いてくれます。単にポーズの中で体を伸ばすストレッチということだけでなく、胸や心を開くことを目的としています。

 

リラックス、力が抜けた状態に入るというのはとても難しいものです。ただ仰向けに寝ていたとしても必ずどこかに入らない力が入っているものです。それを道具を使い、解剖学的な観点から筋肉や関節が緩んで、体が落ち着いた状態に入ることで、精神的にも安らいだ、リラックスした状態に入りやすくなります。

 

リラックスすると体はどのような状態になるのでしょうか?よく聞く自律神経という言葉。呼吸や心拍数、血圧など生きていくために必要な機能の調整をしているのが自律神経です。私たちは1日の中でも常に同じ状態でいるわけではありません。活発に動く時もあれば寝ている時もありその両方が必要です。このバランスは単に肉体的なものだけではありません。緊張している時、リラックスしている時、心の状態もこの自律神経に関わります。このバランスが崩れると心身に様々な影響が考えられます。

 

 

こ現代社会はストレス社会と呼ばれるくらいですから、精神的に常に緊張状態にあれば自律神経系にも影響が現れ、肉体的にも精神的にも様々な症状の原因につながります。例えば、何かの作業に集中していて食べることを忘れてしまった、なんてことはありませんか?その作業をやめ、ほっと一息着いたら何となくお腹がすいてきた、というようなことは誰にでも経験があるのではないでしょうか。

 

緊張状態では自律神経の交感神経が優位に働いています。反対にリラックスしている時は副交感神経が優位に働いています。胃腸はこの副交感神経が優位に働いている時の方が動いていますので、もし緊張状態が強く交感神経が優位にあることが長ければ胃腸の動きにも影響が現れ、消化やお通じなど肉体的な変化が出ても不思議はありません。

 

 

動く時も休む時も必要です。この切り替え、バランスを保つことは心身の健康にとって必要不可欠です。リラックスしている状態、副交感神経の働くことで、肉体の生理的な機能が調整され、精神的な安定にもつながります。

 

しかし、日々のストレスからこの切り替えが苦手な方もいます。ほとんどのヨガのクラスでは最後に仰向けに寝て休む時間がありますが、すっと寝てしまうくらい休めますか?中にはこの時間が休めなくて長く感じる、なんて方もいるのではないでしょうか?このような方であっても、回数を重ねるごとに、自分で自分をリラックスの状態へと導くことがとてもスムーズに行えるようになってきます。苦手意識もなく、ゆっくり休めていると思っている方でも続けていくとまだ力の入った場所を発見したりすることも多くあります。

 

 

リストラティブヨガが普及し必要とされている背景には日々のストレスや緊張から肉体的にも精神的にも何かしらのトラブルを感じている方が多いということだと思います。いま現在、特にトラブルを感じていなくても、リストラティブヨガを行うことで日常生活の中で変化を感じる人も多くいます。まだリストラティブヨガを行ったことのない方も深いリラクゼーションを体験してみてくださいね。

それでは、安全で快適なヨガを!

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