ブログ,ヨガ解剖学 2016.03.21
ねじりのポーズを深めるヒント
ヨガのポーズには様々な動きがあり、人それぞれにやりやすい、やりにくいと感じる動きがあると思います。
その中でも体をねじる動きは日常生活の中でも行う動きではありますが、ヨガのポーズではより深く大きくひねることがあるためか、少し苦手意識を持つ人も多いようです。
もっと楽に、気持よくねじることはできないか体の構造から考えていきたいと思います。
体をねじろうとする時、どこを動かしている感覚がありますか?
多くの方は背骨、背中や腰をねじっている感覚があると思います。背骨は解剖学の言葉では脊柱(せきちゅう)と読んでいます。脊柱は1つの骨ではなく、約30個の骨がそれぞれ関節でつながってできています。脊柱を作る骨ひとつひとつ、形も関節の動きも微妙に異なり、その違いをうまく活用して脊柱は体を支え動けるような仕組みになっています。
ではねじりという動きの時、背骨のなかでも一番動くところはどこなのでしょう?
解剖学では、背骨の各部位の最大に動ける範囲、可動域を
首(頚椎) 約45~50度
背中(胸椎) 約35~40度
腰(腰椎) 約5度
としています。みなさんは顔を後ろに向けることができますか?首が一番ねじりやすい、というのはわかりやすいと思います。
そして注意していただきたいのが腰。腰の可動域は約5度しかなく、あまりねじることができない構造になっています。上半身をしっかり支えるためにあまりぶれない構造なのです。
しかしねじりのポーズの時、腰の辺りでねじろうとする方を多くみかけます。構造上できない動きをやろうとすればそれは体の負担になり腰痛などの原因になりかねません。
背骨をねじろう、とするときは腰より少し上の部分、背中と腰の境目辺りのねじりを意識することは背骨の構造上ねじりやすい場所を動かすことにもつながります。動きやすいところを動かす、というのは体を楽に、そして安全に動かす方法のひとつです。
そしてねじりのポーズの時、背骨だけではなく腕や足を忘れていないでしょうか?
体をねじっている時は背骨、いわゆる胴体だけでなく足の付け根の股関節や腕や肩甲骨も一緒に動いています。骨盤から動かすような意識で股関節の動きとともに体をねじると、腰にも優しく楽に感じるかもしれません。体のねじりとともに腕を動かす時も、肩甲骨から動かす意識を持つと背骨の中でも上の部分の動きを助けてくれます。
動かしたいその場所ではなく他の場所、腕や足の動きを感じながらねじるとまた違った感覚、心地よさを感じることができるかもしれません。特に難しい、苦手と思いながら動かそうとすれば、無意識に力が入り動きを妨げてしまうこともあります。
いつもとは違う場所や感覚を感じながらねじりのポーズに入ってみるのもおすすめです。
それでは、安全で快適なヨガを!
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