YogaBodyコラム COLUMN

ブログ,ヨガ解剖学 2016.03.04

アイアンガーヨガは、なぜプロップスを作ったのかを解剖学的に考える

B.K.S アイアンガー師によって考案されたアイアンガーヨガの特徴の1つに様々なプロップス(補助道具)を使うということが言えると思います。

『ヨガは精神・肉体両面の統合をうながすとともに、内面と外面のバランスのとれる「正姿勢(アライメント)」の感覚をつちかう』(日本アイアンガー協会)とあります。

ここでは、この肉体的なバランスのとれた状態、というのは解剖学的にはどのような状態なのか考えてみたいと思います。

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書籍 『アイアンガ―ヨガ完全マニュアル』より

 

クセのある身体をバランスの良い状態へ

私たち人間は二本足で立ち、動き、バランスを保てる構造を持っています。そのバランスの要ともなる体を支える柱は骨です。人間の体にはどれだけの骨、関節あるのか知っていますか?

全身には約206個もの骨があるのです。その骨と骨は関節でつながっていますが、その関節も全身には約365個(分類の仕方により違いがあります)もあります。

1つの関節を作る骨の形によって異なりますが、骨で体の重みを支えるのに一番効率の良い位置というのがあります。

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骨と骨の間の一部が狭まったり傾いたりすれば、どこかに負担がかかってしまったり、バランスの良い状態とは言えなくなります。

普段の生活の中での私達の体の動かし方には意外とクセがあるものです。仕事やスポーツなどの影響である一定の姿勢しかしないこともあります。

そんな体の動かし方や姿勢のクセからいつの間にか関節にとってバランスの良い状態から徐々に離れてしまうことは珍しくありません。

ヨガのアーサナを行ってみるとひとつのポーズでも左右で得意不得意があったり、自分の体の動きのクセに気付く方も多いと思います。

しかしそのクセを発見してもすぐに修正できるものではありません。そのクセを生んでいる体の動き、関節の動きをバランスの良い状態に戻していくにはまず、バランスの良い状態を感じることができるか、それが大事になっていきます。

 

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強さや柔軟性カバーし、体感して安全に覚える

関節の動きをつくる筋肉の柔軟性や強さがまだ備わっていないときはヨガのポーズを行ってもその感覚を得るのは難しいものです。

その時、そのポーズの中で体の動きを補ってくれる道具、プロップスを用いることはとても有効ではないかと思います。

 

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プロップスで補助しながらポーズを行うことで自分自身の肉体的なバランスの良い状態を体感し覚えていく。そしてその状態に近づくため、保つための柔軟性や強さを得られるように続けていく。

そうすることで肉体的にバランスの良い状態に導かれ、日々の生活の中でも安定して安全な体の動きへとつながっていくのだと思います。

体に余計な負担をかけないようにヨガのポーズを安全に行うことは、長くヨガを続けていけるためにも大事なことです。

そして初心者の方でも様々なポーズに挑戦できるというのはヨガの楽しさのひとつでもあります。

 

心の補助具としても・・・

よく聞く言葉の中に心と体、なんて言葉があります。

心と体は別々の物ではあるけれど、互いにつながり影響しあっていると考えれば、体のバランス、肉体的なバランスを得ていくことで心、精神的なバランスを得ていくことにもつながるのではないでしょうか?

 

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肉体的にどっしりと安定して心地よい状態の方が気持ちも安心できるような感じがしますよね。

そういう意味では、アイアンガーヨガでプロップスを用いることは、体だけでなく心の補助をも目的にしているのではないか?とも感じています。

それでは、安全で快適なヨガを!

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