YogaBodyコラム COLUMN

ブログ,ヨガ解剖学 2016.03.28

尾骨は入れろ、の危険性

体の動きを言葉で表す時、その表現がわかりやすい人もいればわかりにくいと感じる人もいるものです。ヨガのクラスの中でもインストラクターが意図したこととは別の意味で伝わってしまうこともあるでしょうし、その動きがその人にとって楽な動きにつながらないこともあるかもしれません。

みなさんはヨガのクラスを受けた時に「尾骨を入れて」や「尾骨をしまい込むように」というような表現を耳にしたことがあるでしょうか?この言葉を聞いた時、どのように体を動かし、どのような感じがしましたか?

「尾骨を入れる」一体どのような動きの表現なのでしょうか?

自分の尾骨はどこにあるかご存知でしょうか?

尾骨は背骨の一番下にある小さな骨です。正確には3~5個の尾椎(びつい)が癒合して1個の尾骨になっています。人によって尾椎の数が違いますので多少の大きさの個人差があります。背骨全体にはSの字上のカーブがあり、下向きの三角形の形をした尾骨は通常その先端は下、地面の方を向いています。

wikipedia「脊椎」http://healthil.jp/31485

wikipedia「脊椎」より

 

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weblio 「尾骨」より  

「尾骨を入れる」という動きは、その尾骨の先端を地面の方から体の前側(お腹側)に向けるような動きを指します。この動きをするとどのような姿勢になるでしょうか?

多くの人がすこし腰を丸めるような姿勢になると思います。立っている時や坐っている時、無意識に腰が反ってしまう方、腰のカーブが強い方がいます。いわゆる反り腰と呼ばれる姿勢です。そうなる原因は様々ですが常に腰を反った状態でいると腰周囲の筋肉が緊張しやすいですし、姿勢の変化から他の部位への影響も考えられます。尾骨を入れる動きを意識することで姿勢を改善する、というのは一つの方法といえます。

 

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http://healthil.jp/31485より

 

しかし全ての人が反り腰というわけでもなく、人によってはむしろ腰の反り、カーブが弱い方もいます。背骨のカーブは強すぎても弱すぎても周囲の筋肉などの負担になります。もともとカーブの弱い方が尾骨を入れる動きをすればさらに腰を丸めるような姿勢につながり、姿勢の改善というよりむしろ負担が増えてしまうかもしれません。

そして尾骨を入れよう、しまい込もうという意識の結果、お尻や尾骨周りの筋肉に緊張がうまれてしまうこともあります。その緊張は股関節、骨盤の動きを妨げたり、お腹の過度な緊張にもつながります。

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ヨガのポーズには坐ったり立ったり、前かがみになったり反らしたりと様々な姿勢や動きがあります。体はいろんな方向へと動き変化しているのに、尾骨だけいつも同じような動きを意識しているのは不自然には感じないでしょうか?

カラダの部位と部位、骨と骨、関節と関節はつながりがあり連携しています。一つが動けば他の何処かが必ず働いているものです。尾骨は背骨の一部であり、末端の尾骨の存在、動きまで意識するということはとても大事なことだと思います。

一つの部位、尾骨を感じ、そして動かすことによって他の部位にどのような動きや働きが生まれるのか。自分自身の体の中のいろんなつながりをヨガのポーズを通して感じ取れるのもヨガの楽しみ、面白さと言えるのではないでしょうか?

では、安全で快適なヨガを!

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桜井くみ

TOKYOYOGAティーチャー/ YogaBodyトレーニングコース開発・指導担当。
20年以上の鍼灸・整体の経験を生かし、2005年よりヨガ指導を行う。
ヨガ手帳にてポーズの取り方や、季節の過ごし方を提案・監修する。
フリーランスの鍼灸・整体として活躍しながらも、高齢者の身体を知るためにケアマネージャーの資格を取得し、特別養護老人ホームで働いていたほどのカラダオタク。
判断、診断、治療ではない、「感じて、整える」有機的なヨガ解剖学を広めるためにYogaBodyトレーニングコースで指導をする。
現在、神戸在住。夫もヨガティーチャーであり、一児の母。

 

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