YogaBodyコラム COLUMN

ブログ,ヨガと体のQ&A,ヨガ解剖学 2016.05.23

股関節の広がり方をヨガと解剖学的に考える(柔軟性)

「股関節」はヨガをしている方でもしていない方でも聞き慣れた言葉ではないでしょうか。

雑誌や本、テレビなどでも股関節のストレッチはよく見ますし関心の高さが伺えます。
多くのヨガのポーズでも股関節の動きを伴うこともあり、股関節をもっと動かしたい、股関節をひらきたい、と思われる方が多いようです。

なぜ股関節の動きはこんなに私達の注目を集めるのでしょう?

ストレッチ

股関節は骨盤の骨の寛骨(かんこつ)と太ももの骨、大腿骨(だいたいこつ)で構成されています。
寛骨の側面には凹みがあり、そこに大腿骨先端の凸の部分がまるで両側から挟み込むようにはまり安定性の高い仕組みになっています。

しかも、その凹凸部分はボールのような立体的な丸みがあるので可動性も高くなっています。
そんな股関節の構造があるからこそ、私達は二本の足でしっかりと体を支えながらも走ったり立ったり坐ったり自由に体を動かすことができます。

少し見方を変えてみると、股関節の状態や位置に何か変化があれば私達の体の支え方や動きにも何かしらの変化が生まれる可能性がある、とも言えます。

1股関節

現代の私達の生活は昔に比べれば歩く機会が減ったと言われています。
立ったり歩いたりする時間より座っている時間の方が長い、という方も少なくないのではないでしょうか?

そんな生活習慣や日頃の体の動かし方によって股関節の状態は変化していきます。
股関節も他の関節と同じく、周囲を靭帯や筋肉で覆われ、筋肉のはたらきによって動きがうまれます。
股関節を動かす筋肉に過剰な緊張があれば股関節の動きを妨げたり、股関節の位置を変化させ、結果的に体の支えにも影響があってもおかしくありません。
例えば、片足にばかり体重をのせる癖がある、足を組んで座る癖がある、昔足の怪我をしたことがあるなど、そんなちょっとしたことでも毎日続ければ股関節周囲の筋肉には負担になります。

股関節は様々な方向への動くことができるようになっていて、たくさんあるヨガのポーズの中にはその股関節の全ての動きがはいっているのがわかります。

例えば、前屈系のポーズでは股関節は屈曲という動き、後屈系のポーズでは股関節は伸展という動きをしていますし、ねじりのポーズでは股関節にもねじりに動きが生まれています。
股関節の動く方向やその動きをつくる筋肉の伸び縮みを意識して体を動かすことは、股関節の状態を正常な位置へと戻し負担を減らしていく手助けになります。
意識的に動かすならば、その動かす場所、股関節を正確に感じとれているかということも大事になりますね。

前屈2

ウッターナーサナ

後屈

ブジャンガーサナ

そして体は一つの部分だけで動いているのではなく必ずつながりをもって動いています。

股関節をもっと動かせるようになりたいと思って股関節だけをみていても、なかなか望む結果がうまれないこともあります。股関節の動きは背骨とつながりがあり、背骨は腕の動きとつながりを持っています。

そして股関節は骨盤の中にある筋肉、骨盤底筋の一番深い層と筋肉を介してつながっています。

骨盤底筋というのは内臓を支え、呼吸のはたらきにも関与している筋群です。そんな体の中の様々なつながりをみてみると、背骨や腕の動きによっても、内臓器や呼吸の状態によっても股関節の動きや位置は変わってくることはイメージできないでしょうか?

股関節5
股関節をもっと動かしたい、ひらきたいと一生懸命になりすぎて周囲とのつながりを感じることを忘れてしまうと、股関節が思うように動いてくれないだけでなく痛みの原因になってしまうかもしれません。

股関節の動きひとつひとつを丁寧に感じ取ることだけでなく、その動きによって自分の体にどのような変化があるのか、一緒に動いているところはないのかと探してみるのもいいかもしれません。

そしてヨガやボディワークのなかでもよく聞く表現ですが、人生の中で出会ってきた精神的な痛みがトラウマとして股関節周囲に溜まりやすいといわれます。

骨というのは体を支える柱となり、その中でも股関節は土台ともなっている所です。
体と心の柱は深く関わりあっているように思います。
肉体的にどんなに取り組んでも限界を感じるときは、もしかしたら心の状態からのサインなのかもしれません。その状態に自覚がある、ないにかかわらず、ヨガのポーズや呼吸法、考え方などが肉体的なものだけでなく精神的なものもより良い状態に導くことができれば、股関節はもっとひらいてくるものなのかもしれません。

では安全で快適なヨガを!

teacher_img_02

桜井くみ

TOKYOYOGAティーチャー/ YogaBodyトレーニングコース開発・指導担当。
20年以上の鍼灸・整体の経験を生かし、2005年よりヨガ指導を行う。
ヨガ手帳にてポーズの取り方や、季節の過ごし方を提案・監修する。
フリーランスの鍼灸・整体として活躍しながらも、高齢者の身体を知るためにケアマネージャーの資格を取得し、特別養護老人ホームで働いていたほどのカラダオタク。
判断、診断、治療ではない、「感じて、整える」有機的なヨガ解剖学を広めるためにYogaBodyトレーニングコースで指導をする。
現在、神戸在住。夫もヨガティーチャーであり、一児の母。

 

 

メールで学ぼう!ヨガとカラダ。 メールで学ぼう!ヨガとカラダ。

身体にインタビュー!?
ヨガのポーズで身体は何を考えてる?
骨や筋肉の気持ちがわかる全10回のメール講座

関連するコラム