松本くらのコラム,コラム,質問 2020.03.23
クラニオセイクラルの施術は具体的にどんなことをしますか?
クライアントとの関係性を、言語的にも非言語的にも丁寧に深めていく、その先にセッションの展開がある、というのは、クラニオならではかも知れません。
1)始まりはカウンセリング
30分程度のカウンセリングの時間を設けます。「今回の施術にどんな目的を持っていますか?」「身体や心の症状で現在気にしていることは何ですか?」「今までに大きな病気や怪我はありましたか?」と言った一般的な質問をしたうえで、クラニオの施術は治療ではないこと、ヘルスと自己治癒力の指し示す方向をサポートするので、必ずしも現在の症状の改善になるかどうかは判らないこと、セッションを数度繰り返す方が、改善に向かいやすいこと、などを説明します。この間に、クライアントとの間に自律神経的な信頼関係を築き始めるのも、大きな目的です。
2)安心してベッドに横たわる
施術はここから、60分程度です。楽な服装で(コンタクトなどは外す)ベッドに寝てもらいます。更に信頼関係を深め、クライアントに「身も心も安心」してもらうために、寝心地、姿勢、上に掛けたいもの、部屋の明るさ、暖かさなどを細かくチェックし、整え、[最も快適ないま・ここ]を一緒に探索していきます。施術者が声を掛けていくのに最適な場所も、クライアントの身体感覚で探索してもらいます。これは、クライアントが自身の身体内に意識を向けていく、方向づけにもなります。
3)更に安心してもらうためのリソースの探索
お互いの居場所が決まったら、クライアントに身体内のリソースを探してもらいます。「今ここに快適に横たわっている身体内を感じていって、ここを感じると安心できる、OKだと思える場所を探してください」と頼み、その間、自身もリソースを探し、ニュートラルを確立していきます。クライアントがリソースを見つけたら、「しばらくそこを感じ続け、私が触れても大丈夫だな、と感じたら教えてください」とお願いして、更に自身のニュートラルを深め、場のニュートラルに拡げながら待ちます。
4)触れ合う
自身のニュートラルの中で、クライアントにとって最も楽で、クライアントの全体性に触れられる場所を探し、そこに触れることを告げてから、触れていきます。触れ方も何通りかを試し、問い掛けながら、クライアントが安心できる触れ方を探求します。[触れる]というのは、自律神経的に安心を呼ぶか、リスクを呼ぶか、とても繊細な問題を含んでいるので、丁寧に時間を取ります。これが、[リレーショナルニュートラル]の確立です。決まった触れ方で触れ、共に関係の中で落ち着いていき、クライアントがニュートラルの中に入っていくのを待ちます。入り過ぎず、遠ざかり過ぎない/くつろいだ注意深さ/根づいた上昇/すべてを包括する/中心もあり、スペースもある…これらがニュートラルのキーワードです。
5)セッションの展開を、判断せず見守り、従う
[クライアントニュートラル]が確立するころには、ヘルスが表現を始めます。その情報、その在り方を受け取って、必要なサポートを展開します。時々、クライアントに起きていることを尋ねたり、必要があれば、自分が感じていることを伝えたりします。セッション中、何回か手の位置を変えていくことが多いですが、その場合は、クライアントに今の感覚を確認し、手の位置を変えることを伝えてから、ゆっくりと移動します。
6)セッション後も、展開は続く
ヘルスの表現が一段落した時、セッションは終わります。が、身体内の変化が継続している場合が多いので、手を離した後も、10分程度横たわったまま、感じ続けてもらいます。その後も、手先足先からゆっくり動かしてもらったり、施術者が触れたりしながら、時間をかけて今の身体に馴染んでもらいます。