扇谷孝太郎のコラム,コラム,ヨガと体のQ&A 2019.11.20
扇谷孝太郎先生、ロルフィング®︎ってなんですか?
こんにちは、扇谷孝太郎です。
ロルファー™️(ロルフィング®︎の施術者)です。
ご質問ありがとうございます。
ロルフィングは、アメリカで生まれたボディワークの一つです。
その特徴について、主にコンセプト、技術、目標、
プログラムの面から、ご説明します。
まず、コンセプトについて。
ロルフィングの正式名称は、Rolfing®︎ Structural Integrationといって、
訳すと「ロルフ流(身体の)構造的な統合法」になります。
「ロルフ流」は開発者のアイダ・P・ロルフ博士の名前に由来した愛称、残りの「構造的な統合法」はカラダを地球の重力と調和させる方法という意味です。
ヨガを長年続けていると、日々の姿勢がシャッキリしたり、動作がしなやかになったり、カラダ全体がバランスのとれた感じになっていきますね。無駄な筋肉の緊張がほどけて、リラックしやすくなり、エネルギーの循環もよくなるでしょう。
それは重力との調和がとれている状態です。
ロルファーはクライアントのカラダが重力と調和して楽に活動できるように、姿勢や動作のバランスを改善します。
肉体的なバランスとともに自律神経のバランスも改善されるので、精神的な変化を感じる人も多いです。
その意味では、二人三脚でおこなうヨガと言えるかも知れません。
次は、技術と目標について。
ロルファーは重力との調和にむけて、骨や筋肉、内臓などを覆っている「筋膜」のネットワークに特殊な手技によって働きかけます。
一般的には皮膚の下の筋膜を押し伸ばすような独特のタッチを使いますが、ロルファーによっては、触れているだけのような非常に軽いタッチや、ムーブメントとよばれるカラダの感覚を活性化させるエクササイズを中心に行う人もいます。
海外と比較すると、日本はこれらのスタイルの人が多いようです。
ロルフィングの目標は、痛みや故障を治すことではありません。
その人が本来持っているはずのカラダの可能性を目覚めさせることが最終目標です。
もちろん、痛みや故障を無視するわけではありませんが、姿勢や動作が重力と調和すれば、それらの症状は自然に解消されると考えているのです。
そして、この目標に向けてロルファーは、クライアント自身が、忘れていた身体の感覚や偏った動作の習慣に気づき、より効率の良い動き方を学べるようにサポートします。
中国には、「飢えた人に魚を与えれば一日はしのげるが、魚の釣り方を教えればその人は一生飢えることはない」という格言があるそうですが、まさにロルフィングの基本姿勢そのものです。
最後に、ベーシック10シリーズについて。
ベーシック10シリーズとは、ロルフィングでカラダを整えるためのステップです。
10〜12回のセッションによって、段階を追ってカラダのバランスを整えていきます。
1回目は呼吸、2回目は足のバランス、3回目は体側の拡がりと言うように、各セッションにはそれぞれにテーマが設定されていて、効率よくカラダの変化を促せるように考えられています。
初めてロルフィングを受ける人は、こちらのプログラムで基礎的なバランスを整えるとよいでしょう。
もちろん、1回だけ受けてみるとか、10回以上受けつづけるとか、その人のニーズに合わせて受けることも可能です。
なお、TOKYOYOGAでわたしが行う講座では、
こうしたロルフィングのコンセプトをベースに、オステオパシーやトラウマセラピーなどの知見、わたし自身の研究成果などを加えて、ヨガのプラクティスがより効果的に行えるような、カラダの動かし方、感じ方についてご紹介しています。