YogaBodyコラム COLUMN

Gregor Maehleのコラム 2019.01.27

バインドハーフロータス前屈 | Gregor Maehleのポーズ探求コラム


最近残念なことに、多くの生徒がヨガポーズをとったことを原因にひざを痛めています。そして、主なケガの原因として、ロータスとハーフロータスのポーズがよく挙げられています。 でも、この2つのポーズは、次に挙げる2つのルールが守ってとる限り安全にプラクティスすることができます:

  1. まず、このポーズに挑戦するにあたって、他のポーズを練習し、生徒の体を十分に準備させておくことが大事です。できれば有能な教師にポーズを見てもらってください。
  2. ロータスとハーフロータスのポーズを練習するときは、足をハーフロータスのポジションに持っていき、そこからポーズを解いていく移行に関して細部まで細心の注意を払います。

私は、庭の手入れをしていたり、家具の取り外しのをしている時にに両方の膝を痛めた経験があります。 これから紹介するインストラクションに従うことによって、私はもともと膝が悪かったにもかかわらず、完全に治すことができました。 今日、私は家族の中で膝の手術を経験する必要がなかった唯一のメンバーです。 (免責事項:半月板の裂傷などの特定の条件では手術が必要となる場合があります。)

以下は私が12年前に著し、今となっては古典に近い「アシュタンガヨガの実践と哲学(Ashtanga Yoga Practice and Philosophy)」からの一節です。 これらの指示に従うことによってあなたが同様の恩恵を得るであろうと私は信じています。

アルダバダパドマパシモタナサナ(Ardha Baddha Padma Pashimottanasana )ハーフロータス

アルダバダパドマパシモタナサナ(Ardha Baddha Padma Pashimottanasana)は、前屈と股関節の回旋を組み合わせた新しいポーズのサイクルの始めとも言えます。プライマリシリーズは主にこれから挙げる二つのテーマから成ります。ポーズには安定感がありグラウンディングしており、そしてそれらは中級(インターミディエイト)および上級(アドバンス)シリーズの主題を形成する後屈、脚が頭の後ろに来る姿勢、およびアームバランスなど積極的でより元気な気持ちにさせてくれるポーズの基礎となります。ヨガ的なの観点からすると、より複雑なポーズの練習に進む前に、基礎のポーズとしっかりと練習し、体の準備をする必要があります。

Rotation pattern 回旋パターン
次に紹介する5つのポーズは、プライマリシリーズの大腿骨の回旋パターンを確立します。この種をしっかりと育てていくことで、やがてムーラバンダアサナ(Mulabandhasana)(最も極端な内旋)とカンダアサナ(Kandasana)(最も極端な外旋)のような複雑な姿勢のパフォーマンスの花を咲かせることができるのです。回旋パターンは次のとおりです:

_    アルダバダパドマパシモッターナアサナ( Ardha Baddha Padma Pashimottanasana)ー内旋

_    トリアングムカエカパダパシモッターナアサナ(Triang Mukha Ekapada Pashimottanasana)ー外旋

_   ジャヌシールシャアサナA(Janushirshasana A )ー内旋

_   ジャヌシールシャアサナB(Janushirshasana B) ー外旋

_    ジャヌシールシャアサナC(Janushirshasana C)ー内旋

これらの大腿骨回旋の動きは、生徒がポーズに入った後に実行される動きを指しています。 逆に、ポーズに入るための動きは反対方向に働いています。このように回旋パターンを行っていくことで、マリッチアサナD(Marichyasana D)やバダコナアサナ(Baddha Konasana)など、シリーズの中でも、より困難なポーズに簡単にアクセスできるようになります。

息を吸いながらジャンプスルーし、長座の姿勢になります。熟練度の高い生徒は一呼吸でにこの動きをすることができます。 ポーズの正確さと安全性確保のために、このやや複雑な動きを、立位ハーフロータス、アルダバダパドモッターナアサナ(Ardha Baddha Padmottanasana)と同じようにの様々な動きの段階に分けていきます。

Phase 1 フェーズ1

ダンダアサナ(Dandasana)で座って、右踵が右臀部に触れるまで右膝関節を完全に曲げます。この動きが不可能な場合は、ヴィラアサナ(Virasana)とスプタヴィラアサナ(Supta Virasana)を毎日練習してください。(アルダバダパドモッターナアサナ(Ardha Baddha Padmottanasana)を参考にしてください。)

Phase 2 フェーズ2

ここから右膝が床に触れるまで右大腿を外転させます。 太ももの間に90°の角度を確立します。右足のつま先を真っ直ぐ伸ばし、右足を反転させたら、右踵を右鼠径部に引き込む、またはできる限り近くに引き込みます。これで今ジャヌシールシャアサナA(Janushirshasana A)の形になりました。このポーズを経てハーフロータスに移行することで、内転筋群の準備の準備となります。つま先をまっすぐ伸ばし右足を反転させたまま、右膝を横に倒し、内転筋をさらに伸ばします。内転筋の硬さがロータスとハーフロータスのポーズができない主な原因となるため、この方法はヨガ初心者でも最大の開放感を与えてくれます。ヨガ初心者が最初に内転筋を伸ばし、解放せずに足をハーフロータスの位置に持っていくことはお勧めしません。この動きを数回繰り替えすことでより良い効果が期待されます。


Phase 3 フェーズ3

かかとをへそに向かって引いていきます。 へそを経由して脚をハーフロータスの形にし、膝関節は確実に密着されていることを確認します。

Phase 4 フェーズ4

そして左の鼠蹊部に向かい合っていく形で右足を自分の体の方に引きます。右手を自分の体の後ろ側に回し、左鼠蹊部にある右足のつま先をバインドします。右の手のひらは下に向いています。手のひらを上向きにさせると上腕骨を過度に内側に回転させ、それに伴って肩周りを丸めてしまいます。 バインドができないのは、小胸筋が短く収縮し、そのために右肩が硬くなっていることが原因ということがしばしばあります。 この場合(バインドができない時)は、右腕を上に挙げ、やや右側に伸ばしていきます。 そして手のひらが後ろを向くように腕を内側に回転させます。そこから手を下げながら、後ろの方に手を伸ばしていきます。 肩帯が前方に突き出ないように肩甲骨を外転、下制させます。

ポーズを深めるにつれて、肩を前方に引き寄せる筋肉(小胸筋)を解放します。それでもつま先まで手が届かない場合は、パーシュボッターナアサナ(Parshvottanasana)、プラサリタバドッタナアサナC(Prasarita Padottanasana C)、ウルドゥバダニュラアサナ(Urdhva Dhanurasana)、そしてアップドッグとダウンドッグ(Upward and Downward Dog)を練習し体の準備をしてください。これらのポーズは肩の硬さを軽減します。

足の親指をバインドすることができない場合は、この姿勢から前屈になる体の準備ができていないということです。足が鼠径部ではなく大腿部にある場合、そこから前屈すると靭帯や軟骨に負担がかかり、損傷を起こすことがあります。

その代わりに、股関節を解放することを練習し続けます。長座で座り、伸ばした左脚の筋肉を働かせながら、左手を使い、左足を上に引き続けてください。 忍耐強く練習しましょう。他の多くのポーズもあなたの股関節や内転筋の弛緩を助けます。こういった練習をを行った後、あなたは安全に姿勢を実行することができるでしょう。

もしあなたが右足をバインドすることが出来たならば、優しく膝を横に向かって開き床に近づけていきます。左手を前方に伸ばし、左足の外側を取ります。 吸って胸を上げ、左腕を伸ばします。まっすぐ伸ばした足に対して、骨盤と肩を平行に保ちます。

息を吐きながら、前屈していきます。 真っ直ぐ伸ばした左脚はパスチモッターナアサナ(Paschimottanasana)をとっているときの脚と同じように機能します。大腿部を外旋させ、右足を左鼠径部に持っていきます。ポーズにしっかり入っていくために、今は大腿を内旋させます。内旋を補助するために、右つま先を前に伸ばし、右足を反転させたままにします。 内旋する筋肉 –  2本のハムストリング(半膜様筋、半腱様筋)、内転筋(薄筋)、外転筋(中臀筋)、および股関節屈筋兼外転筋(大腿筋膜張筋)、これらの筋肉のすべては、大腿部を腰に引き寄せる働きをします。ただ、この働きが原因で、膝に負担がかかることもあります。膝にかかる負担を減らすには、大腿骨を腰から離すように動かしていきます。この動きは内転筋群を解放し、言葉で何度いっても足りないほど、とても重要です。

そのまま膝を横に引き、床に向かってゆっくりと近づけていきます。2つの太ももの間の理想的な角度は約40°ですが、個人の脛骨と大腿骨の長さの比率にもよります。 かかとはポーズを取っている途中はずっとにへその位置にあります。この一連の動きを合わせて初めて、このポーズの目的、肝臓と脾臓の浄化が達成されます。

肩を前足に対して平行になるようにし、床から等距離に保ちます。そして左右の肘をお互いから離すようにして横に引きます。

坐骨はしっかりとグラウンディングし、臀部が広がっていきます。 頭上は足に向かってまっすぐ伸ばし、肩甲骨は腰に向かって引いていきます。ここで5呼吸おきます。

吸う呼吸で、胸を持ち上げ左腕をまっすぐに伸ばします。吐く呼吸で、上記で説明されたステップを逆にして繰り返していくようにハーフロータスから足を解放させ、床に手を置きます。そこからジャンプバックをしてヴィンヤサをしたら、今度は左側のポーズをとっていきます。

このブログ記事は、2006年のテキストAshtanga Yoga Practice and Philosophyからの抜粋です。

日本語訳 Rolf  Marika

原文リンク:https://chintamaniyoga.com/asana/bound-half-lotus-forward-bend/

この記事を書いた人

Gregor Maehle

グレゴール・メーレは40年前、ヨガをはじめました。

1980年代半ば、彼はインドに定期的に旅をし、
様々なヨガ行者や指導者、マスター、と共に伝統的なインドのヨガを学びました。
Mysoreで14ヶ月を過ごし、1997年にはAshtanga YogaをK. Pattabhi Joisによって指導者の認定が与えられました。

グレゴールメーレは解剖学の知識に定評があります。
彼は健康医学者の学位を得て解剖学的知識そして、歴史、哲学、比較宗教を学びました。

また、哲学やサンスクリットなどインドの古典の知識も深く、
グレゴールメーレは、1対1で経典の指導を B.N.S. Iyengarを通して8ヶ月学び、
Narayanachar教授とChandrasekhar教授のもとでSanskritを学びました

彼は隠遁者としてインドに数年間住み、サンスクリットとヨガ聖書を学び、ヨガをしていた経験もあります。

1996年にはオーストラリアのパースにて彼の妻、モニカと一緒に、8 Limbsを開設し、現在も活動をしています。

グレゴールメーレの書籍は世界中で評価の高い「教科書」として認知され、世界中で75,000部のコピーがあり、7つの外国語に翻訳されています。
彼は多くの国に招かれ、多数のヨガ雑誌に寄稿したりインタビューを受けたりしています。

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