YogaBodyコラム COLUMN

ヨガと体のQ&A,ヨガ解剖学 2016.01.25

アシュタンガヨガはなぜ生理時にしてはいけないのかを解剖学的に考える

生理と呼ばれる現象を医学的には「月経」と呼びます。月経とは「約1ヶ月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血(日本産婦人科学会)」とされています。

女性ホルモンの分泌により子宮内膜が増殖し、そしてそれが剥がれ落ち経血として排出されるということが周期的に行われています。その間には排卵もあり、体温や骨盤内の血液循環の変化など、女性の体は周期的に変化しています。この周期的に変化にアシュタンガヨガは何らかの影響があるのでしょうか?

 

一般的に生理と呼ぶときは出血が始まってから終わるまでの間を指すことが多いです。その間のカラダは体内から体外へ、内から外へと排出しようとしている期間とも考えられます。そして子宮そのものも内膜を排出するために収縮をしています。

アシュタンガヨガを行う際には、呼吸とともに骨盤内部や下腹部を最大限に活動させていくことが必要に思います。その活動にはもちろん筋肉の力も伴います。骨盤や腹部には表面だけでなく深部、内臓に近いところにまで筋肉が存在します。その活動が月経中の子宮に影響がないとは言えません。例えば、通常の月経時にも起きている子宮の収縮が必要以上に強く起これば「生理痛」となりえます。

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またホルモンの分泌による女性の体の周期的な変化の中に、骨盤周囲の靭帯や筋肉の状態の変化があります。月経中はこの靭帯や筋肉が緩んでいる傾向があります。緩んでいるところをあえて緊張させる、ということはこの時期のカラダにとっては不自然なことかもしれません。

月経も要するに出血です。血が失われることは体にとって負担になることは明らかです。貧血の症状が出る方もいますし、少し眠くなったりだるさを感じたり、カラダには休憩が必要な時期です。休みが必要なときには適度に休む、これも自然なことで健やかな状態を保つには大事なことです。

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カラダにとっての不自然な状況が長くつづけば、女性の体に必然な周期的な変化に影響が起こるのは想像できるのではないでしょうか?長くヨガの指導経験のある女性インストラクターの方ほど月経中のヨガの練習方法については注意を呼びかけているように思います。とくにアシュタンガヨガを指導されている方も月経中は練習を休むことを進める方がほとんどです。こういった事実は月経中も練習しつづけて良い結果につながった人がいない、という意味にもとれるのではないでしょうか?

それでは、安全で快適なヨガを!

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