YogaBodyコラム COLUMN

ブログ,ヨガと体のQ&A,ヨガ解剖学 2016.07.04

反り腰とヨガとの関係

ヨガのクラスでいつも反り腰を直される、鏡を見ると腰を反って立っている、というような方は案外多いのではないでしょうか?姿勢の中でも反り腰と聞けば誰でも思い浮かべることのできる姿勢だと思います。反り腰でいると何か不具合があるのでしょうか?

背骨、解剖学の言葉では脊柱と呼びます。脊柱は上から頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨が連なってできています。それぞれの骨が関節でつながっていますがまっすぐにつながっているのではなく、脊柱を横から見るとSの字のようなカーブを描いています。このカーブを生理的弯曲といいますが、この弯曲のおかげで体の動きからくる衝撃を和らげたり、周りの筋肉の負担を減らしたり、体のバランスを保てるようになっています。

 

wikipedia「脊椎」http://healthil.jp/31485

wikipedia「脊椎」http://healthil.jp/31485

 

特に腰の前方向へのカーブが強い方を反り腰といえます。腰のカーブが強くなってしまう原因としてよくいわれるのが腹筋の弱さ。脊柱は背中の筋肉だけで支えられているのではなく、お腹側の筋肉、腹筋によっても支えられています。腹筋の筋力が十分でなければ、お腹で背骨を支えきれずお腹を前に突き出すような姿勢、つまり反り腰になりやすくなります。

 

反り腰

 

日頃から腹筋をゆるめた姿勢ばかりしていれば筋力は高まりませんし、腹筋で支えられない分腰への負担は増えますので、腰痛などの原因になることは予想できます。

単純に腹筋運動で筋力を高めることは反り腰をなおす助けになりますが、お腹の表面の筋肉ではなく、もっと深いところにある筋肉をはたらかせることがとても大事になります。お腹の内側にはまるでコルセットのように、体を包んで支えている筋肉があり、呼吸のとき、特に息をしっかり吐くときにはたらいています。

 

 

ヨガのポーズの中でも、体の動きだけではなく呼吸をしっかり保っているか、息をしっかり最後まで吐き切っているか意識して行うことは反り腰という姿勢そのものを改善してくれる助けになるでしょう。

そしていわゆる腹筋の弱さだけではなく、筋肉の硬さが反り腰の原因になることもあります。体の前側にある背骨と足をつなぐ筋肉やおしりの筋肉は足を動かしてくれる筋肉です。これらの筋肉が日頃の姿勢だけでなく運動習慣によって硬く縮まった状態でいると足の動きを制限するだけでなく、背骨や骨盤まで引っ張り結果的に反り腰になってしまうこともあります。ヨガのポーズの中でこれらの筋肉の緊張を緩めるだけでなく、必要な強さを培うことができれば反り腰の改善にもつながるはずです。

 

ヨガとめまいの関係は・・・?

しかし反り腰になってしまうことには、単純に柔軟性や筋力不足だけではなく、お腹の中の内臓器のはたらきも関係してくることがあります。お腹の中の内臓器が正常にはたらくことで中から体を支える力にもなります。ヨガのポーズや呼吸法には内臓器のはたらきを調えてくれる効果もありますが、日常生活において生活リズムや食生活の乱れ、冷える環境などが変わらなければ、内臓器のはたらきが弱まり結果的に反り腰になってしまうことは十分に考えられることです。体の外側にある筋肉や関節の動きを良くしたいと思うならば、内側にあるものの状態にも心を配ることは必要なことではないかと思います。

 

syokuji_woman

 

ヨガのポーズや呼吸法の練習そのものから得られることがあるのはもちろんですが、その練習する時間をつくる、ということから生まれる生活習慣や食生活の変化のほうがもしかしたら心身に与える影響は大きいのかもしれません。

反り腰が気になる方は、ヨガの時だけではなく日常生活の中でも、体の外側だけでなく内側から観察して、自分が反り腰になってしまう原因を探してみてくださいね。

それでは、安全で快適なヨガを!

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