正しいタダーサナって何ですか?


  1. ヨガのクラスで必ずと言っていいほど行うタダーサナ。山のポーズという意味のあるポーズです。

  2. 単に立っているだけ、とも思われがちですが二足歩行のできる人間だからこそできる特徴的な姿勢でもあり、タダーサナで安定性がなければ立位でのどんなポーズも、どんな動きにおいても安定性を保つのは難しいのではないでしょうか?

    立位のポーズの基本姿勢ともいえるタダーサナですが、ヨガの流派によって違いがあるようにも思います。

  3. 今回は体の構造的な面からみたタダーサナを考えてみたいと思います。

    タダーサナの姿勢は解剖学的な正位と近い姿勢です。解剖学的正位とは、体の方向や動きを考える時の始まりの位置であって、関節が曲がっても伸びてもいない、言わばゼロのポジションにある姿勢です。タダーサナにおいても、足や胴体、頭も曲がってもおらず、関節はゼロのポジションにいることができれば効率的に、そして安定して体の重さを支え立っている状態といえます。

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  5. 解剖学的な正位の違う位置としては手の位置。解剖学では手のひらは前を向きますが、タダーサナでは手のひらは内側、太ももへ向けます。そして足の位置。これは流派によってもことなるでしょうが、足を腰幅程度に広げるか閉じるかによっても異なってきます。もし足の関節をゼロのポジションに持って行きたいのならば足は腰幅程度に広げ、かかとをやや外側に出したほうが近くなるでしょう。

    そして、立位で体を支えている面は足の裏です。左右の足の裏が作る面によってその上の体の構造的な安定性が変わってきます。足のサイズは大きな人でも30センチほど。その小さな足で体を支えるための仕組みが足の裏にはちゃんと存在しています。

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    wikipedia 「足」より https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%B3

     

    足には28個もの骨がありますが長い年月体を支え続けるのは大変です。そこで土踏まずと呼ばれる足のアーチ構造をつくることで力学的にも安定した構造を持っています。

  7. 左右の足の裏で体を支えて立っている時の重心線、体の中心がこの足の裏の中心にあるのであれば、バランスの取れている状態といえます。この面が少しでも乱れれば、この重心線にも傾きが生まれ、その上に乗っている体にも不安定がうまれてきてしまうかもしれません。よくヨガのクラスでは足の親指の付け根、小指の付け根、かかとの両側の4点をしっかりつけて立つ、という表現をします。この感覚は足の骨の地面への接地を均等に、そしてより密着させることで足の裏のアーチをしっかりはたらかせていくことにも繋がり、体を支える面を安定させる助けになると思います。

  8. しかし足の裏、体を支えている面の中心を意識するだけでは体の重心線を感じにくいかもしれません。その点とつながる重心線がどこを通って体を支えているのか、それを探し感じていくことも大事なことです。足から頭のてっぺんまで引き上がるような力は足のアーチだけでなく、体の骨格を内側から支えている力にもつながり、体を支える骨組みの負担も減らしてくれるはずです。

    体の重心線が体の中心を通っているからこそ上に乗っている上半身はより安定した、楽な状態になりやすくなります。左右の肩の高さが違っていたり、頭が傾いていたり、顎が前にでていたり、どこかに力が入ってしまっていたり、というような状態も体の中心がぶれていることから起こることが多くあります。その中心を探すことなく、肩や頭の位置だけ調整したとしてもすぐに戻ってしまうでしょうし、体の安定は得られません。むしろ余計な体の緊張や負担を増やすことにもつながりかねません。

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  10. 足から体全体の骨組みはその仕組みだけでもしっかりと体を支えることのできる支持構造を持っています。しかし人生80年、骨だけで体を支え続けるには少々荷が重いかもしれません。その骨の負担、支持構造を助けるためにもたくさんある筋肉ははたらいてくれています。タダーサナを考えてみると、その筋肉の中でも体の表面にある筋肉よりは内部、体の深いところにある筋肉をはたらかせていくことで余計な緊張のない、省エネな使い方で体を支えることができます。その筋肉をどうやって使っていくか、意識していくか、という方法はたくさんありますが、基本はやはり呼吸ではないでしょうか。より深く、気持よく、効率的に呼吸を行えることはこの体の内部の支えをはたらかせていくことにつながります。
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  12. 自分自身がどんな風に立っているのか、本当に体の関節がゼロのポジションにいるかどうかを見つけるのは難しいものです。それには他の人の目や手を借りて教えてもらうのもとてもよいと思います。ヨガのクラスに参加することでインストラクターに見てもらうのも一つの方法です。体の骨組みとしての支えを探しながらも、呼吸の実践を続けることで内側からの支えを培うことができれば、まさしく名前のごとく、山のように揺るぎない強さと安定したしなやかさのあるタダーサナへ近づくことができるかもしれません。
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では安全で快適なヨガを!

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桜井くみ

TOKYOYOGAティーチャー/ YogaBodyトレーニングコース開発・指導担当。
20年以上の鍼灸・整体の経験を生かし、2005年よりヨガ指導を行う。
ヨガ手帳にてポーズの取り方や、季節の過ごし方を提案・監修する。
フリーランスの鍼灸・整体として活躍しながらも、高齢者の身体を知るためにケアマネージャーの資格を取得し、特別養護老人ホームで働いていたほどのカラダオタク。
判断、診断、治療ではない、「感じて、整える」有機的なヨガ解剖学を広めるためにYogaBodyトレーニングコースで指導をする。
現在、神戸在住。夫もヨガティーチャーであり、一児の母。

 

 

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