YogaBodyコラム COLUMN

松本くらのコラム,コラム,ヨガと体のQ&A 2020.06.18

クラニオセイクラルの不思議

クラニオセイクラルは―量子物理学や胎生学で解明されて来ているとは言え

未だ私には不思議なことが多く、それが面白くて学びやセッションを続けているとも言えます。

 

[クラニオセイクラルが作り出す一体感]

先のコラムでも述べましたが、クラニオセイクラルの施術は、施術者が[ニュートラル]の状態を作り出すところから始まります。

[ニュートラル]を一言で説明するのは難しいのですが、[いのち]という状態に戻って、ただ存在する と言ったら良いでしょうか。

一種の瞑想状態です。

すると、施術空間が少しずつ鎮まっていき、クライアントも鎮まっていき、通常の状態では知覚できない感覚がキャッチされ始めます。

施術者やクライアントの身体感覚にも、変化が現れ始めます。拡がっていく感覚だったり、緩んでいく感覚だったり、境界線が溶けていく感覚だったり…。

現実にいる場所のチャンネルが、変わります。

そこに[私]はいるけれど明確ではない。だから[他者や他のもの]もあまり明確ではない。

音楽ライブの現場とかに、近いのかな?

強いて言えば、展開するセッション自体が主人公になるような感じでしょうか。

 

[協働調整という発見]

不思議だったこの一体感の伝播を、ポリヴェーガル理論が説明してくれた!と、この理論に出会った時に思いました。

[協働調整]聴き慣れない言葉ですが、ポリヴェーガル理論ではキーワードの一つです。

哺乳類の自律神経系は、腹側迷走神経系の状態にある時、[協働調整]する。

私の解釈で言ってしまえば、哺乳類は

「安心で安全だと感じる時、その感覚を、自律神経系を通して伝播し合い、共に自律神経系を調整する」ということになります。

お母さんと赤ちゃん、ペットと飼い主、恋人同士や友人同士の間で、ごく普通に起きている出来事です。

 

 

同じ様に、クラニオでは、施術者の私がまず、[安全・安心]を基盤にしたニュートラルのゾーンに入るから、

それが伝わって拡がっていくのだな、と、やっと腑に落ちたのでした。

宇宙も身体も脳も、まだ未解明なことの方が多いなかで、こうして[不思議]に光が当たると、それはそれで、ますます面白くなります。

施術の現場だけではなく、ヨガのクラスや日常のヒトとの出会いの中で、

先に[安全・安心の自律神経]でいられたら、そこには何が展開するだろう、とワクワクしますよね。

この記事を書いた人

松本くら

1958年、横浜生まれ。東京大学文学部卒業。伊豆高原在住。

日本、インドで、ヨガを学び、大学卒業後、ボディワーク・呼吸法・断食・瞑想・アロマテラピー・エサレンボディワーク・クラニオセイクラル・機能解剖など、多方面から[健やかなからだ]へのアプローチを学ぶ。

日本のボディワーク界の草分けとして知られ
セッションハウス「リーラハウス」において個々の身体と向き合いながら
プロフェッショナル・ボディワーカーの学びの場、
伊豆高原「リーラスクール」を立ち上げ
全国から集まるボディワーカーやヨガインストラクターの育成をしている。

著書に、
[【休息のレシピ】~タメイキは最高のゼイタク HAPPYな毎日を送るための呼吸法~](BABジャパン)
[プレヨガで「あなたのヨガ」をはじめよう](BABジャパン)
[肩コリ解消六十四通り](ブルーロータスパブリッシング)
監訳書に、[ヨガボディ](ジュディス・ハンソン・ラサター著・chama共訳・ガイアブックス)がある。
エサレンボディワーク認定プラクティショナー/AIAHS認定アロマセラピスト/クラニオセイクラルバランシング認定プラクティショナー。
リーラハウスHP

 

日本での活動について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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