松本くらのコラム,コラム 2019.11.25
クラニオセイクラルは、どんなボディワーク?
クラニオは頭蓋、セイクラルは仙骨のこと。
クラニオセイクラルのワークは、19世紀後半にヨーロッパで発達した
オステオパシーという徒手整骨療法から派生し、
バイオメカニクス(生体機械的)アプローチを中心にしたワーク、
バイオダイナミクス(生体活力的)アプローチを中心にしたワーク、
などに分かれて発展しています。
ふたつのアプローチの違いを簡単に説明すると、
バイオメカニクスは、「その骨が持つ本来の動き」を取り戻すことを
目的とします。
構造がいま、どう動くかに注目し、そこに働きかけて、理想的な動きを取り戻します。
バイオダイナミクスは、「その骨を動かすための力」を回復させることを目的とします。
動きの源となっている生命力が回復すれば、骨の動きも回復する
という考え方です。
従って、私が専門とするクラニオセイクラル・バイオダイナミクスが耳を傾けるのは、相手の生命力が、どのようにその身体に表現されているか、という部分です。
生命力は、どのように身体に表現される?
私たちは命と共にここに在る間ずっと、身体に、
「生命を育み、健康を維持するパワー」を備えています。
このパワーは[ヘルス]と呼ばれ、受胎の瞬間から存在し、
可能な限り働き続け、死ぬまで消えることはありません。
が、何らかの原因で[ヘルス]が十分に発揮できない時、
様々な変調が心や身体に現れます。
[ヘルス]は、
身体の中核とも言えるクラニオセイクラル・システム(頭蓋仙骨系統)を
中心に、周期的な波動[第一次呼吸]を発生しています。
それは心臓の鼓動や肺呼吸とは異なるリズムを持ち、
あたかも内側からの呼吸のようです。
生命力に溢れたこの呼吸に協力する
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスは、
穏やかで繊細なタッチを使って、身体から発せられる
[第一次呼吸](リズム)、治癒力(ポーテンシー)、体液の流れなど、
様々なメッセージを感受し、[ヘルス]をサポートしていきます。
中核からの波動につながることで、身体や神経系統は深く鎮まって、
リラックスし、自己治癒力が働きやすい環境が生まれます。
身体、心、本質を一つの統合体としてとらえ、全体性に目を向けるので、
内側から起こる自己調整や治癒がサポートされ、[ヘルス]を活性化します。