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コラム,ブログ,ヨガと体のQ&A,ヨガ解剖学 2017.08.07

シャバーサナが上手くできません。なぜですか?

どのような流派のヨガクラスであっても、クラスの最後には必ず横になる時間、シャバーサナというポーズを行いませんか?動いた後の穏やかな時間で、寝てしまう人も多いかと思います。しかし中にはこの時間が苦手、という方も案外多くいるものです。周りの人も気持ち良さそうにしているのに自分はできないのはなぜ?と思う方もいると思います。なぜシャバーサナが苦手に感じるのでしょうか?

 

 

シャバーサナが苦手という方の多くは、シャバーサナのようにただ寝ている時だけでなく、じっとしていることができない、ということもあるのではないでしょうか?

 

私たちの1日の生活の中でも活動している時と休んでいる時のリズムがあります。このリズムは体の外側だけでなく内側でも起こっています。活動のオンとオフに合せて私たちの身体機能もそれに合せて調整されているのです。

 

その機能にとって大事な役割しているのが自律神経。活動時には交感神経がよくはたらき、休んでいる時は副交感神経がよくはたらいてくれています。どちらのはたらきも私たちの心身の健康には必須で、どちらかがゼロになることはありません。

 

ストレス社会と呼ばれてしまう現代は交感神経のはたらきが強くなりすぎる傾向はあると思います。日々の多忙さや夜でも明るく目や耳から様々な刺激が絶え間なく入る環境では常にオンの状態になりやすいでしょう。

 

 

このような状態が続けば自律神経の調整もうまくいかなくなり、体に様々な症状が現れることがあります。自覚症状はなくとも、休むのが苦手、ということは自律神経のバランスが乱れ始めているのかもしれません。

 

また自律神経による体の変化、はたらきをちょっと別の角度からもみてみましょう。

 

肉体的に疲労が蓄積しても責任感や義務感など原因は様々ですが、何かをやらねば、というような思考は私たちの体に鞭を打つように動けるようにしてくれます。こんな方の多くが体内でアドレナリンというホルモンに頼っています。アドレナリンは危機的状況から逃げ出すための火事場の馬鹿力をだすような作用のあるホルモンです。まさに日々の生活が戦闘モード、アドレナリンファイターです。常に動いていますから、休むというのはむしろ苦痛に感じるでしょうし、常に戦闘モードでいれば、肉体は内外ともに疲労してきますし、精神的にも疲弊してくるでしょう。

 

 

動くためには休むことも必要で、何事もバランスとは言うのは簡単ですが、生活環境をすぐに変えることができる方ばかりではありません。

 

でもそんな中でもシャバーサナのように意識して休む時間をつくること、肉体が戦闘モードから解放されることで精神的にも癒される時間を持つことを選択するかどうか、だけでも大きな違いがあると思います。

 

 

じっとする、という時間が難しいということがあっても、続けることで肉体的な緊張も解きやすくなったり、肉体が緩むことで精神的にも緩んでいる状態を体験できるようになるはずです。その体験は必ず心身に経験として刻まれ、またそこに戻れるようになるでしょう。それには時間がかかる方もいるでしょうし、それをやり続けるかどうかというだけでも日々の生活には大きな変化がうまれるのではないでしょうか?

 

一見して気持ちよさそうなポーズでもあるシャバーサナ。

 

シャバーサナとは屍のポーズという意味。屍のように、じっとただ寝ている、ともいえるポーズです。またシャバという言葉には変わりゆく、という意味もあるようです。見た目は同じであっても、その肉体から魂がぬけてまさに肉体のみと変化していく、そんな状態を表す言葉なのかもしれません。そう考えますと、とても難しいポーズですね。

 

 

 

ヨガを始めたばかりの方はより一層シャバーサナがうまくできないな、と感じる方もいるかもしれませんがそれは決して悪いことではありません。なんとなく居心地の悪いその状態が、これからヨガを続けることでどのように変わっていくのか。シャバーサナを通して自分の中のいろんな変化にも気付いてあげてくださいね。

 

では、安全で快適なヨガを!

桜井くみ

TOKYOYOGAティーチャー/ YogaBodyトレーニングコース開発・指導担当。
20年以上の鍼灸・整体の経験を生かし、2005年よりヨガ指導を行う。
ヨガ手帳のポーズ提案・監修者。 臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー。
フリーランスの鍼灸・整体として活躍しながらも、高齢者の身体を知るためにケアマネージャーの資格を取得し、特別養護老人ホームで働いていたほどのカラダオタク。
判断、診断、治療ではない、「感じて、整える」有機的なヨガ解剖学を広めるためにYogaBodyトレーニングコース という全米ヨガアライアンス認定指導者養成コースを開発し、ヨガの指導者を育成する。
現在、神戸在住。夫もヨガティーチャーであり、一児の母。

 

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