YogaBodyコラム COLUMN

ブログ,ヨガ解剖学 2016.05.02

何でハンドスタンドが出来ないのか?

ヨガのポーズの練習を始めた頃は、今まで経験したことのないカラダの動きにちょっとびっくりしたことのある方もいるのではないでしょうか?
ヨガを続けていくと出会うヨガのポーズの数も増えて、中には難易度の高いポーズに挑戦することもあります。ハンドスタンドと呼ばれるポーズもその一つ。要するに「逆立ち」です。「逆立ち」といえば誰でも思い浮かべることのできる動きです。
ハンドスタンド
しかし何かしらの運動を続けている人でないとなかなかできないものです。なぜ逆立ち、ハンドスタンドは難しいのでしょうか。人間は二本足で立ってバランスを保つことができます。
単純に足より小さい手の平で体を支えようとするのは難しいということもあるでしょう。この支える面積のサイズや強さ以外にも体を支えるときに問題となる違いが手足にはあるのでしょうか。

まず手足の違いとしてあげられるのが太さ。
腕は足に比べれば華奢です。太さ、筋肉の質量でも腕より足の方が大きいですし、骨の太さや関節の大きさからしても手は足より細くできています。これは進化の過程で腕は体の重さを支える必要がなくなったからだと考えられます。代わりに人間の肩は人体で最も自由に動けますし、指先は繊細な動きが可能になり様々なものを作り出すことができます。腕は体の重さに耐え得る安定性の高い構造より動きやすい可動性の高い構造の方が優先されて出来ているといえるのではないでしょうか。

ハンドフット

そして骨盤の存在も手足の違いとして考えられます。足は骨盤を介して体幹とつながっています。
骨盤の構造はとても精密にできていて、様々な方向に体が動く中でも上半身、そして足の土台として重さの受け皿となりバランスをとっています。当たり前のように立ち、歩けているのは精密な骨盤の構造のおかげなのです。
腕に骨盤のような構造はありませんが、腕の骨は肩甲骨と関節でつながり、肩甲骨を通して体幹とつながっています。ハンドスタンドを行うときはこの肩甲骨を介したつながりをまるで骨盤の受け皿のように、力強く腕を使っていく必要があるように思います。体幹、そして肩甲骨から肩、肘や手の関節を構造的に安定させ、骨を支える筋肉もしっかりとはたらかせてあげなければ、細い腕で体重を支えることは負荷が強く怪我の原因になってしまうかもしれません。

骨盤

ちなみに、四足歩行の動物の骨格を見てみると、骨盤は縦に細長く、肩甲骨と骨盤の骨の形が似ているようにも見えます。そして体を持ち上げた後、手や腕に意識がいってしまい体の他の部分を忘れがちです。呼吸が止まったり、浅くなってしまう人も多く見られます。バランスを保ちにくい腕で体を支えようとするならば、体幹や足も意識してバランスを維持することも大事です。
何より深い呼吸が維持できなければ体幹を支えることも難しくなるでしょう。

手の平をよく見てみると足の裏と同じようなアーチ、凹みがあることがわかるでしょうか?足裏のアーチと同じような役割がありますが、やはり足に比べれば小さく弱い構造になっています。そんな手の平で体を支えようとするならば、骨、関節の安定する場所を探すことも、筋肉だけでなく呼吸によってその骨や関節を支えることもより注意深く行うことが必要なのではないでしょうか。

体の構造にとって安全な動かし方をする、ということはハンドスタンドだけではなく他のポーズでも同じことが言えるのかもしれません。しかし腕、というのは本来重さを支えるのは苦手な場所です。その構造的に不向きなことを行おうとするならば、焦らず丁寧に練習をすすめていくことをおすすめします。そして何より、新しいポーズや難易度の高いポーズに挑戦していきたいときは、その練習を見てくれる先生のもとで行うことも大事なことだと思います。

ハンド芝生

では、安全で快適なヨガを!

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桜井くみ

TOKYOYOGAティーチャー/ YogaBodyトレーニングコース開発・指導担当。
20年以上の鍼灸・整体の経験を生かし、2005年よりヨガ指導を行う。
ヨガ手帳にてポーズの取り方や、季節の過ごし方を提案・監修する。
フリーランスの鍼灸・整体として活躍しながらも、高齢者の身体を知るためにケアマネージャーの資格を取得し、特別養護老人ホームで働いていたほどのカラダオタク。
判断、診断、治療ではない、「感じて、整える」有機的なヨガ解剖学を広めるためにYogaBodyトレーニングコースで指導をする。
現在、神戸在住。夫もヨガティーチャーであり、一児の母。

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