YogaBodyコラム COLUMN

コラム,ヨガ解剖学 2018.04.10

ヨガでお通じは良くなりますか?

ヨガを続けてから心身の状態に何か変化はありましたでしょうか?

すっきりする、リラックスできるというような、その時すぐに感じられるものもあれば、継続することで感じられる変化、そういえば・・・と自分も気付かずいつの間にか変わっていた、なんてこともあります。

よく耳にするヨガによる身体の変化のひとつに「お通じがよくなった」ということがあります。
ヨガとお通じ、どんな関係があるのでしょう?身体の仕組みから考えてみましょう。

お通じ。日々の排便は人間が健康的に生きていく上で欠かせません。
皆さんは毎日お通じがありますか?

排便は1日に2回あるのが正常で理想的。
1日1回出ていても状態によっては便秘と考えます。
毎日お通じがあるようになるためには何が必要なのでしょうか?

 

口から食べたものは消化分解され、その栄養素のほとんどは小腸で吸収されます。
消化しきれなかった残りは大腸を通る過程で水分が吸収され、最終的に残ったものが便の材料となります。
口から入れたものを外に出すためには、食道、胃、そして腸の中を移動し送り出す必要があります。

 

私たちの体、胴体の中にはたくさんの内臓がつまっていて、体の中には大きな空間があります。
その空間は横隔膜(おうかくまく)によって分けられていて上を胸腔(きょううくう)、下を腹腔(ふくくう)と呼んでいます。

小腸や大腸は7〜9mほどある管状の形をしていて、腹腔内にぎゅっとつまっていますが、他の臓器、例えば腎臓や子宮のように1つの場所に固定されてはいません。
そして、管状の腸の壁には筋肉の層がありますので、自ら動けるようにもなっています。

 

腸そのものが縮んだり緩んだりという「蠕動運動」が、腸の中のものを送り出す動力。
蠕動運動を保つことは食べ物を消化し栄養を吸収するだけでなく、排便を起こすためにも欠かせません。

腸の動きも筋肉の動きと考えるならば、手や足の筋肉と同じように筋肉が緊張したり弱くなっていれば、この運ぶ力もうまく働かなくなってしまうのは想像できますよね?

ヨガのアーサナの中には、お腹を圧迫したり捻ったり時に逆さまになったりと体と共に腸内を動かすアーサナが多くあり、腸の筋肉を動かすことにもつながります。
これは何もお腹を動かした方がいいから腹筋に力をいれて行う、というわけではありません。
呼吸を深くおこなうだけでも腸の動きは保たれます。
ヨガのアーサナと共に行う呼吸法の中には腹腔を支えている、腹筋の中でも一番深い層にある腹横筋(ふくおうきん)を活性化させるものもあります。
表面はそれほど強くはたらかなくても、この腹横筋が適度に活動していれば腹腔内の空間も保たれ、腸が緩みすぎず動きやすい状態になります。

 

 

そして何より呼吸を通して、自律神経の副交感神経を優位にはたらかせる時間をもつことも重要です。
呼吸に意識をおき、心身の活動が鎮まった状態にあることはリラックスしている状態、つまり副交感神経が優位にはたらいている状態に導いてくれます。

ヨガの流派によっては体を積極的に動かしますがその中でも必ず鎮まった状態、時間をみつけていくものです。

 

副交感神経が優位な状態は、腸そのものの動きを活発にしてくれます。
いつも緊張している、ストレスを感じる環境では腸の動きが弱くなりがちですし、腸と腸が接しているところや他の臓器と接しているところで癒着が起きたりとさらに腸の動きを妨げてしまいます。
精神的な緊張は腸だけでなく胃の動きにも影響しますので、消化が十分にできずさらに便秘に・・・という悪循環にもなりやすくなります。
ヨガを行うことは、物理的に腸を動かすというだけでなく、神経系を通し生理的に腸の動きを助けることにもつながります。

そして便秘の中には習慣性のものもありますね。
便意があっても時間がないから、タイミングが悪いから我慢してしまうという習慣から便秘になってしまうというものです。
毎日の生活にヨガを取り入れることでこの悪習慣をなくし、便意を感じた時にトイレに行く時間の余裕が持てるようになったという方も多いのではないでしょうか?

習慣性という意味では食事も重要です。

例えば食物繊維は便のカサ増しをしてくれますので、食物繊維を含むものを食べていなければ便は出にくくなりますし、便の3分の2は腸内細菌の死骸。
腸の中にいる細菌の数そのものが少なければ、便も少なくなってしまいますので、便秘の原因になります。
腸内細菌の中でも善玉菌と呼ばれる細菌叢を育てる食事を意識することも大事です。

食事にも意識を向ける余裕をつくる、そんな習慣を身につけることにもヨガは助けてくれるように思います。

呼吸は吸っては吐く、の繰り返し。
毎日食べては出す、の繰り返しも生きている証拠。
当たり前のことが当たり前にできるということは、思いのほか身体にとっては重要なもの。
ヨガを通して、そんな当たり前の変化に意識を向けてみてはいかがでしょうか?

では、安全で快適なヨガを!

 

桜井くみ

TOKYOYOGAティーチャー/ YogaBodyトレーニングコース開発・指導担当。
20年以上の鍼灸・整体の経験を生かし、2005年よりヨガ指導を行う。
ヨガ手帳のポーズ提案・監修者。 臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー。
フリーランスの鍼灸・整体として活躍しながらも、高齢者の身体を知るためにケアマネージャーの資格を取得し、特別養護老人ホームで働いていたほどのカラダオタク。
判断、診断、治療ではない、「感じて、整える」有機的なヨガ解剖学を広めるためにYogaBodyトレーニングコース という全米ヨガアライアンス認定指導者養成コースを開発し、ヨガの指導者を育成する。
現在、神戸在住。夫もヨガティーチャーであり、一児の母。

 

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