YogaBodyコラム COLUMN

コラム 2018.05.31

ヨガでアレルギーは治りますか?

みなさんは何かアレルギーはお持ちですか?
アレルギーと言うと花粉症が有名ですが、例えば、金属アレルギーや食物アレルギーなど様々なものがあります。

一度発症すると治りにくいと言われるアレルギーは、ヨガで改善していく可能性があるのでしょうか?
身体の仕組みから考えていきたいと思います。

人間の身体には、外から侵入する細菌やウィルスなどを撃退する、免疫という機能が備わっています。
この免疫が、本来身体にとって害にはならない物質にも過剰反応して、様々な症状を起こすことをアレルギーと呼ばれています。
アレルギー症状を避けるには、その反応を起こしてしまう物質を避けるか、免疫を正常化するしかありません。

本来身体を守るために必要な機能が免疫です。
もちろん身体には、その免疫機能を抑制する機能も備わっています。
その1つが、副腎から分泌されるホルモンのコルチゾールです。

コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、身体に受けたストレスから回復していくために分泌されます。

交感神経を刺激し、肉体の回復に必要な機能を活性化させます。
この中に免疫を抑制する作用や、炎症を抑制する作用も含まれています。
そのために、コルチゾールはステロイドホルモンとも呼ばれています。

では、慢性的にストレスのある環境だとどうなるでしょうか?
ストレスに対抗するためにコルチゾールの分泌量も増えます。
交感神経が優位となり心身ともに活動的な状態。血圧や血糖値も上昇します。
睡眠や精神的な変化も出てくるでしょう。

本来休むべきときに休めなくなってきますから、疲労も蓄積しますし、一見元気に見えますが、それはホルモンによって動かされている興奮状態ですので、短気になったり、イライラすることも少なくないでしょう。

そして、免疫は抑制されますので、気持ちとは裏腹に風邪を引きやすくなります。この状態が長期間続くと、副腎が疲労し、コルチゾール分泌も低下していきます。この状態を副腎疲労といいます。この場合、副交感神経が優位に立っているので、身体は安静時の状態となります。

起きたいのに起きられない、動きたい時に動けない、疲労が抜けない、やけ食いしたくなるなどの様々な症状がでます。
免疫を抑制する機能が低下しますので、過剰に反応するアレルギーが起こりやすい状態です。

ヨガがストレスコントロールに良いというのは、多くの方に知られていることです。
ストレスを受けたことによって交感神経が優位の状態にあるのを、肉体的、精神的なリラックス状態、副交感神経優位の状態に導ければ副腎、免疫機能の調整にもつながるでしょう。
しかし副腎の機能を考えれば、副交感神経を優位にさせるだけでは、アレルギーの改善につながらないかもしれません。

ヨガのアーサナは、筋肉の緊張を解くことだけが目的ではありません。
ゆっくりと動く中でも、安定した身体の置き所を見つけるためには、ある程度の筋肉の張力が必要です。リラックスの中にも適度な緊張があります。
このバランスは弱まった交感神経を活性化させながらも、副交感神経の働きも保つ、というようなイメージでしょうか。

もしかしたら、これはアーサナよりも呼吸法を行っている時の方が感じやすいかもしれません。呼吸法の練習を行う時は、安定的に坐ることが必要です。
安定した坐位を保つためには、姿勢を維持する筋力には張力が発生しています。
呼吸法の中には、副交感神経だけでなく、交感神経を優位にするものもあります。単純に、吐く息が長ければ副交感神経が優位になりやすいですし、吸う息が長ければ交感神経が優位になりやすくなります。

ヨガや呼吸法の実践によって、自律神経やホルモン分泌の調整を行うことは、免疫の正常化、アレルギーの改善につながる可能性は十分にあります。
そのためにはその日、その時の自分自身の心身の状態を丁寧に向き合うことが必要です。

身体は疲れているはずなのに、テンションが高いからといって、積極的に身体を動かすヨガを実践し、休む時間が不十分になれば、心身は疲弊してしまいます。
最近の生活環境や自分の心身の状態によって、ヨガクラスやアーサナを選んだり、呼吸法を行うことだけを選ぶ日があっても良いのではないでしょうか
あくまでも自分自身を優先し、大切に扱うこと、これがヨガを通してアレルギー改善していくことの近道ではないでしょうか?

それでは、安全で快適なヨガを!

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