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コラム,ヨガと体のQ&A,ヨガ解剖学,質問 2018.07.09

ヘッドスタンドで足をあげるときに使う筋肉は?

ヨガのポーズ、アーサナでは様々な姿勢のものがありますね。
坐ったり立ったり、そして逆さまになったり。
心臓より足高くしていくようなポーズは、逆転の姿勢と考えていますが、ヘッドスタンドもその1つです。
初めたばかりの人にとってはとても難しいポーズですよね。
頭を床につけて足を持ち上げたくても中々上がらなくて難しい、という方も多いのではないでしょうか?

足をあげるためには何が必要なんでしょうか?

身体の仕組みから解剖学的に考えてみたいと思います。

ヘッドスタンドはシールシャーサナというヨガのポーズです。
シールシャで頭という意味がありますから、頭で支えるポーズとも言えますね。

実際は頭と両肘をマットに着けていきます。
頭や首には身体の重さを支える強さはありませんから、マットに着けた両肘で身体の重さを支えてる必要があります。

足をあげるときに強い筋力が必要かというと、実はそこまで強い筋力は必要ありません。

私たちが普段二本の足で立っている時、どこの筋肉がはたらいているのかわかりますか?
普段の姿勢を維持する時も常に筋肉ははたらいていますが、強い力を発するというよりは安定させるための筋力がはたらいていますのであまり意識されてないのではないでしょうか?

ヘッドスタンドでも同じことが言えます。
頭と腕で作る土台が安定し、上半身が立っていると同じような位置までくれば自然と足はマットから浮いていきます。

そこから足を天井にあげる動きを身体の関節の動きで表現するならば、股関節の伸展という動きになります。

重力に逆らうように股関節を伸展、足を引き上げて行くにはお尻にある大殿筋やもも裏のハムストリングのはたらきが必要です。足の重さで身体が倒れないように、脊柱起立筋肉などの背中の筋力や肘でマットを押すような肩や肩甲骨まわりの筋肉がはたらいています。

足をあげるというだけでも全身使っているのがわかりますよね。
でも、まだこれだけではありません。

今出てきたような、身体の後ろ側、背中側にある筋肉のはたらきが足を持ち上げてくれますが、それだけでは身体のバランスを保つのは難しいですし、後ろ側だけを使っていては背中が反ってしまい負担になりかねません。

身体の前側、お腹側にある筋肉が足を押し上げたり、背中が反りすぎないように上半身を支えてくれます。
お腹側だからといって無理に腹筋を使うというよりは、ポーズに入る時も呼吸とともに行うことが大切です。

特に慣れない方にとっては、逆さまになって後ろに倒れそうな怖さもあり、つい力んで呼吸も止まりがちです。
慣れるまではインストラクターに助けてもらったり、壁を使ってみるのもいいでしょう。

少しずつ練習していく中で注意を払っていただきたいのは、腕の土台を安定させて頭に体重が乗りすぎないようにすること。
首を守るために重要なことです。どのように土台を作ればいいのか、必ずインストラクターの指導の元で練習を重ねてみてください。

そして呼吸にも意識を向けること。
1度バランスの保つ場所を見つければ安定してポーズに入ることができるのもヘッドスタンドの特徴です。
いつもとは違う逆さまの世界を体験して見てくださいね!

それでは、安全で快適なヨガを!

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